
九州山地や霧島の山々に囲まれ、昔懐かしい「いなか」の雰囲気が漂う宮崎県の南西部に位置する小林市。
JR小林駅から徒歩3分、緑に囲まれた昔ながらの建物で35年営業されている「つるや寿司」。このお店はご夫婦の人柄や鍛え抜かれた技、親しみやすい価格帯がお客さんに愛されてきました。今回は伊地知さんのお店を残したいという思いから全国から広く後継者を募集しています。
小林はとにかく「人」がいい
昔ながらの雰囲気が漂う小林市。人通りもそれなりにあって、お店の立地場所も抜群。それでいて、ずっと地元に住み続ける人間が多い。たくさんの人が小林市に住み続ける理由は、とにかく「人」がいいからだそう。
伊地知さん:『小林は昔からの人間ばかりで、お隣のスナックも創業50年を超えています。お店に来てくれるお客さんもいい人ばかりなので、気を使わなくて済むんです。
同業のお店も競争するのではなく、「どこの品物が安くて良かったよ」とか、畜産関係の方気軽に相談できる環境もありますので、とにかく居心地がいいですね。』
親しみやすさで愛されて35年
地元の方がこよなく愛する小林市。でも、人がいるだけでは35年もお店を続けられません。「つるや寿司」が35年も地元の人から愛されてきた理由は一体なんだったのでしょうか?
「つるや寿司」の魅力はずばりご夫婦の親しみやすい人柄。バブル期は従業員含め、4人で営業されていたようですが、現在はお2人で営業されています。
常連のお客さんのほとんどが、お2人に会いにお店に訪れるとのこと。地元の人から35年も愛され続けるその秘訣はお2人の接客の姿勢の中にありました。
伊地知さん:うちは味だけじゃなく、お客さんに対して「心で接する」ことを大切にしています。建物を綺麗にするのもサービスのひとつだからリフォームしました。でも、やっぱり人間の売り込みが味にも影響が出るんですよ。お客さんと丁寧にやりとりを重ねたから35年も続けられたんじゃないかな。
挑戦のハードルを下げたい
お店を1から立ち上げる場合、多額の初期投資が必要になります。さらに営業を続けるために、お客さんの集客や運転資金調達なども必要になりますので、挑戦をするハードルが高いことも事実。
伊地知さん:もし若い人が新規でお店を出店したいと思っても、多額のお金が必要になりますよね。それにお店を開けたからすぐにお客さんが来るわけではないわけですし、お店をやりたいと思ってもすぐには開けないんですよ。
私は地元だったので、知り合いもおったし、最初は知り合いは付き合いで来るけど、最終的には自分で開拓しないとお客さんの心は掴めない。だから、私たちがお店を開きやすい状態を作ってあげれば、やってみたいと思った人の背中を押せるんじゃないかなと思ったわけですよ」
後継者には「つるや寿司」のすべてを引き継ぐ
奥様とお2人で35年間営業を続けている「つるや寿司」。後継者が見つかった場合は、お店のすべてを引き継ぐとのこと。お夫婦で作り上げた「つるや寿司」を残したいと言う思いがあった伊地知さん。
伊地知さん:『私は「つるや寿司」の全てを置いていくつもりなんです。しばらくは後継者の方とお付き合いをして、お客様の引き継ぎや寿司の握り方などあらゆる面でサポートしていきたい。もちろん自分たちでやりたいと仰るのであれば、それでも問題ないですよ。
とはいえ、最初からやりたいことをやるのが難しいのも事実。お客さんとの信頼関係を結んでから自分のやりたいことに挑戦してもらえると、うまくいくんじゃないかな。』
お店を開くための調理器具やお店の設備はすべて揃っているため、お寿司を握る技術があれば、すぐにでもお店を開店できます。またお寿司を握る技術がない方でも、伊地知さんの技術指導が入りますので、やってみたいという気持ちがあれば大歓迎とのこと。
またお店を丸ごと引き継げるだけでなく、地域の方とのつながりやお店が軌道に乗るまでのサポートもしてくださるため、お寿司を握りたい方にぴったりの環境が用意されていると言えます。
人とのつながりを大切にできる続けられる人を募集
最後に引き継ぎを希望する方へのメッセージを、伊地知さんに伺いました。
伊地知さん:人とのつながりを大切にできる真面目な人ですね。商売は信用が1番大切。お客さんと信頼関係を丁寧に築き上げられる人が来てもらえればなぁと。
うちのお客さんは常連のほとんどで、ボトルキープも大量にしてくださっています。味の売り込みも大切ですけど、人とのやりとりがうちの良さでもありますので、常連さんを大切にできる人がいいですね。
伊地知さんが奥さまと一緒に作り上げたお寿司やとお客さんとのつながりを引き継ぎ、「つるや寿司を新たに運営する後継者になりませんか?